公開日 2024年08月05日
音楽専攻科 器楽専攻音楽療法コース卒業
- PROFILE
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医療法人おくら会芸西病院 リハビリテーション部 音楽療法室
繁谷 美穂さん
音楽療法士としての活躍の場は病院内外に
音楽療法士は、音楽を活用して対象者の機能修復や向上を図るヘルスケアの専門職です。音楽療法士と対象者が治療的な目的をもって一緒に“歌う”、“聴く”、“体を動かす”、“演奏する”という音楽活動を経験することにより、問題となる症状・行動の改善を図ります。
現在、私は母体病院の精神科病棟と法人の高齢者関連施設にて、精神疾患患者や認知症高齢者を対象に、集団・個別での音楽療法に従事しています。たとえば、なじみの曲を高齢者グループで共有して懐かしんだり(回想促進)、精神疾患の患者さんと歌詞を分析して、そこから読み取れる感情を考えたり表現したりすることなどを目的に音楽を提供しています。
また、行政や地域(サロン)からの依頼もあり、介護予防事業の一環として、法人外でも音楽療法や講演を行ったりしています。さらに、母校の徳島文理大学で特別講義も担当させていただきました。
仕事をしていて嬉しいことは、「音楽の時間がとっても楽しみ!」という声をたくさんいただけること。私自身が、音楽とそういった声が活力となり、笑顔あふれる毎日を送れています!とはいえ、音楽療法はまだまだ世間的にはマイナーな分野。まずはここ高知県から音楽療法とその効果について広めていきたい。そのためには、いまある目の前の仕事に真摯に向き合い、法人外でのご縁も大切にコツコツと励んでいこうと思います。また役職にもつかせていただいているので、後進育成にも力を入れていきたいです。
悩みや不安にも勝る音楽療法コースの魅力
幼い頃からピアニストになるのが夢で、音楽高校のピアノ科に進学。しかし高校のレベルは高く、すぐに挫折を味わいました。それでも音楽はやめたくない…と進路に悩んでいた頃に出会ったのが音楽療法士という仕事。真剣に続けてきた音楽で、誰かの役に立てるこの仕事に就きたいと思い本学を志望しました。
もちろん地元大阪を離れての一人暮らしには不安もありました。しかしそんな悩みを吹き飛ばすくらい、本音楽療法コースには大きな魅力が2つあったのです。1つは、本場アメリカで音楽療法プログラムを修了した教員がいること。また、毎年アメリカ音楽療法界の権威であるマイケル・ローバッカー博士の直接指導もあり、最先端の音楽療法が学べます。2つめは、主科レベルでピアノを続けられること。ベーゼンドルファーアーティストの学部長のレッスンがあったり、ウィーン国立音楽大学と姉妹校であるなど、高い水準のピアノ教育が受けられます。実際に、学内外の様々な演奏会でピアノを披露することもできました。
そして卒業後、私がセラピストとして実際に医療や福祉の現場で働くようになった今、音楽療法を受けて患者さんが変わっていくのを目の当たりにし、音楽の力を再確認しています。そのような音楽の効果を広く人々に伝えるべく、現在、音楽療法士を国家資格にするプロジェクトが進んでいると聞いています。将来の国家資格化を見据えても、徳島文理大学は音楽療法を学ぶ上で素晴らしい環境が整っていると思います。ぜひオープンキャンパスに来てみてください!