徳島文理大学について

実学教育・研究

薬学部 あおさのり

世界初!海藻の陸上養殖に成功 「あおさのり」が商品化

あおさのりの陸上養殖

 徳島文理大学では、平成29年度文部科学省私立大学研究ブランディング事業として選定された【海藻成長因子を用いた海藻栽培技術イノベーション】に取り組んでいます。

 植物や生物の生態系に大きな変化をもたらす地球温暖化。海藻も例外ではありません。日本の食文化に欠かせない海苔の原料である海藻が取れなくなっています。その中で、薬学部の山本博文教授が、「あおさのり」の生育過程で必要な成長促進因子サルーシン(海洋プランクトンが産生する極微量成分)を人工合成することに成功。世界初の「あおさのり」陸上養殖を達成しました。今では、徳島県や牟岐町とも協力しながら、さまざまな学部が、これからもずっと海苔を食べられるための研究を行っています。この技術を利用した「あおさのり」は、日本財団「海と日本プロジェクト」の企画などでも商品化されています。

薬学部 山本教授と生徒たち

商品化されたあおさのり

 薬学部は、薬剤師を育てるだけの学部ではありません。こうした研究を通して、製薬会社や食品、化粧品企業、化学工業系企業など幅広い進路で活躍できる化学・生物のスペシャリストを育成します。 また、本学短期大学部生活科学科では、「あおさのり」を使ったスイーツを開発中。学園祭やオープンキャンパスで披露する予定です。この研究の成果を「味」で体感するチャンスを、お見逃しなく!

人間生活学部 もち麦

徳島県牟岐(むぎ)町の地域活性を目指す 「もちっとむぎゅっとの会」

 人間生活学部食物栄養学科の学生有志団体「もちっとむぎゅっとの会」は、徳島県南部の牟岐町を舞台に地域活性化の活動をしています。町内で2017年から行っているもち麦栽培を応援。農家などがつくる「牟岐の農業を守る会」と亀井製麺所(上板町)、牟岐町、徳島県と産官学連携で、もち麦商品の開発に取り組んでいます。

  2020年には「もち麦」、2021年には「むぎゅっと麺もち麦生パスタ」を発売。若者をターゲットにした包装デザインも学生の考案です。開発したもち麦商品は学内のコンビニや地元スーパーで販売するほか、社員食堂や保育園の給食で使用メニューを提供するなど広報活動をしています。本年度は、地元スーパーのフレッシュフーズオオキタと協働でもち麦を使ったヘルシーなお惣菜やお弁当、お菓子を開発しています。

 学生たちはこうした活動を通して、さまざまな年齢、属性の人とのコミュニケーション能力を高め、マーケティングのノウハウなど学内の講義や実習だけでは経験できない学びを得ています。
 「もちっとむぎゅっとの会」の活動はSNS(インスタグラム)で情報発信中。ぜひチェックしてみてください。

理工学部 新型LED

LEDで次世代栽培技術を確立 これからの農業発展のカギに

 ナノ物質工学科の梶山博司教授は、長年携わったマイコプラズマテレビの研究を活かし、肉眼では見えない「パルス光(光の点滅)」に植物の生育促進効果があることを発見。小型パネルから青色のパルス光を夜間に照射することで、日中に蓄えた糖を夜間にも補充して成長を促すことに成功しました。

 この技術を植物工場に応用したところ、レタスの栽培が従来法にくらべて最大で2倍になることが確認されています。この技術を使えば、収穫までの栽培日数を半減したり、より糖度の高い果物を栽培できたり、農家の手間を減らしつつ安くておいしい農産物を作ることが期待できるのです。

 2021年には、徳島県さぬき市の県立石田高校と連携し、夜間にLEDライトを照射しながらトマトを栽培する試験を実施。収穫されたトマトは平均糖度が従来の4~6から8に増え、個数も約3割増、1個当たりの重さも増えるという結果が出ました。照射装置は少額で設置でき、コストパフォーマンスも抜群。労働力が減少傾向にある農業や漁業分野に画期的な変革をもたらすこの新技術の普及のため、梶山教授と学生たちは現在も日々研究を重ねています。